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石原良純のちょっとエコな話
  石原良純
1962年神奈川生まれ。 1984年映画「凶弾」でデビュー。舞台、映画、 TV ドラマ、バラエティー番組と意欲的に活動。 1997年に気象予報士を取得。ウェザーキャスターも務める。


 3月11日。日本列島は、未曾有の大災害に見舞われた。東日本大震災、M9.0の巨大地震は、想定を遥かに超える津波を引き起こし、東北地方太平洋岸の街を次々に呑み込んだ。
 3月末時点で、死者、行方不明者が3万人に達しようという大災害は、更にもう一つ、今まで私達が経験したととのない恐怖をもたらした。
 日々刻々、伝えられる原子炉が制御不能に陥った、福島第一原発の情報に固唾を呑む。原発から200キロ以上も離れた東京でも、水や食料を買いだめに走る者や、西日本から遠く海外にまで退避する者など、日常の暮らしは大きく乱れた。
 桜の花が綻び、柔らかな日射しが降り注ぐ青空を見上げ、僕は思う。「放射線は大丈夫なのだろうか」「放射能が降り注いでいるのではないだろうか」。
 放射線も放射能も、いつかSF映画で耳にしたような言葉。まさか、自分の生活にかかわろうとは、誰も思いもよらなかったに違いない。
 未知なるものに、人は恐怖を抱く。何が何だか分からないから恐いのだ。多くの人が放射線と放射能の違いなど知らないに決まっている。
   僕は、この4月の新番組『モーニングパード』(テレビ朝日系・朝8時)の取材で、東大病院に放射線科の中川恵一准教授を訪ねた。
 放射線をピンポイントでガン細胞に当てる放射線治療は、ガン治療の最先端技術だったのだ。遺伝子を傷つけガンを誘発するという放射線が、その一方でガン治療の大役を担っている。
 ロウソクを放射性物質とするならば、炎の光が放射線。光を出せるロウソクの能力が放射能。
 放射線は一概に危険なものではない。人聞は常に宇宙や大地や食べ物から自然放射線を受けている。
 もちろん、一度に大量に受ければ害になるが、放射線と聞いて恐れる必要はないのだ。時には、大いに人間の役に立つものでもあるのだから。
 「東京では、今回の事故の放射線を全く気にする必要はありません」と、最後に先生はきっぱりと言い切った。
  "科学する気持ち"は、科学技術に対して正しい知識を持つこと。まさに次世代のエコロジーにも繋がる。"科学する気持ち"を持てば、災害時でも冷静な判断を下せるに違いない。
 
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